EXHIBITION

展覧会

同時開催:コレクション企画展示「神戸に生まれて」 【特別展】秘蔵の小磯良平 ―武田薬品コレクションから

2022年6月11日-9月25日

開催場所 神戸市立小磯記念美術館

【特別展】秘蔵の小磯良平 ―武田薬品コレクションから〈展示室1・2・3〉

武田薬品工業株式会社の社長、六代目武田長兵衞氏は、小磯良平の生涯の友であり、小磯芸術の良き理解者としてそ作品を収集していました。本展では、二人の交友を紹介するとともに、油彩画や薬用植物画など、秘蔵のコレクションを公開します。

1.展覧会の概要

神戸を代表する洋画家、小磯良平は、武田薬品工業株式会社の六代目武田長兵衞と親しく、戦前に出会ってから、亡くなるまでその交流は続きました。武田薬品の美術コレクションには、小磯良平の重要な作品が含まれていました。本展は、同コレクションを神戸市立小磯記念美術館に寄託していただいたことを記念して開催する展覧会です。展覧会では、油彩及び素描作品あわせて約40点と、機関紙『武田薬報』の表紙画として約13年間描き続けられた薬用植物画をもとに刊行に至った『薬用植物画譜』に基づき、約150点および資料を紹介します。
※素描や水彩画などは会期中展示替をいたします。

記者説明会

2022年6月10日(金曜日)11時~ 当館会議室にて

当日受付。美術館東側の通用口からご来館ください。

内覧会

2022年6月10日(金曜日)14時~(受付:13時30分開始)

  • 報道関係の方と、ご招待の方のみご参加いただけます。
  • 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、人数を制限しています。

会期、会場など

会期:2022年6月11日(土曜日)~2022年9月25日(日曜日)

会場:神戸市立小磯記念美術館 

〒658-0032 神戸市東灘区向洋町中5丁目7

  • 六甲ライナー「アイランド北口(小磯記念美術館前)駅」下車、西へ徒歩すぐ
  • 阪急「御影駅」の南側から、みなと観光バス131系統で「ウエストコート3番街前」下車すぐ

休館日:毎週月曜日(ただし7月18日、9月19日は開館)、7月19日、9月20日

開館時間:10時00分から17時00分(入館の受付は16時30分まで)

主催

神戸市立小磯記念美術館、朝日新聞社

協力

武田薬品工業株式会社

後援

神戸新交通株式会社

入館料

一般:1,000(800)円、大学生:500(250)円 ※( )内は20名以上の団体料金 

  • 高校生以下:無料(学生証など身分を証明できるものをご提示ください)
  • 神戸市在住の65歳以上の方:500円(年齢と住所を証明できるものをご提示ください)
  • 障がい者手帳、またはスマートフォンアプリ「ミライロID」ご提示の方:無料

2.展覧会の構成と作品

所蔵を明記していないものは全て武田薬品工業株式会社蔵

Ⅰ.武田コレクションの形成

1932年頃、小磯良平と武田鋭太郎(のち六代目武田長兵衞を襲名)は、知人を介して初めて出会います。同じころ鋭太郎は、英国の伝統的建築様式であるチューダー様式の邸宅を東灘区の住吉に新築します。鋭太郎はこの頃から小磯作品を収集し、戦前の作品を多く含む類のない小磯作品のコレクションを築きました。

 
左:小磯良平《踊り子》1935年 油彩・キャンバス 162.1×130.3cm

右:小磯良平《人々》1936年 油彩・キャンバス 116.0×96.0cm

Ⅱ.戦争、終戦、アトリエの再建

小磯は、1945年6月5日の神戸空襲で、戦前の秀作を生み出した山本通のアトリエと住居を失います。武田の邸宅から歩いて数分の場所の土地を武田の紹介により入手し、ようやく住居とアトリエを構えることができたのは、1949年のことでした。小磯記念美術館の中庭に移築復元しているアトリエが、この時に建築した建物です。

Ⅲ.販売促進とブランドイメージへの貢献

1953年1月1日、総合ビタミン剤、パンビタンの一面広告が、東京、名古屋、大阪、西部の朝日新聞朝刊に掲載されました。小磯良平の《母子像》をベースに、画面右上の余白に商標のウロコ印を、左下にパンビタンの説明を印刷した、作品主体の斬新な広告でした。小磯の素描の洗練された雰囲気や幼い子供と母親をモチーフにした構図の広告は、注目を集め話題となったといいます。
 

左:1953年1月1日 大阪本社版朝刊12面掲載広告(提供:朝日新聞社)

右:小磯良平《母子像》1952年頃 コンテ・紙 63.6×48.2cm

すでに高い評価を得、国民的人気を博していた小磯良平の作品を広告に起用したことは、ビタミン剤の販売促進のみならず、武田薬品のブランドイメージの向上に大いに貢献したと考えられます。小磯は、武田薬品が顧客や取引先に配布する扇子やカレンダーの原画を描いています。

Ⅳ.制作のための取材協力―旅に日常に

小磯良平と六代目武田長兵衞は、旅を共にすることもあり、小磯は旅先で制作取材をしました。また、小磯が1958年頃から取り組み始めた新たなモチーフ、舞妓について武田は、事実の正確な描写に厳しい小磯のために、舞妓の髪型を記録的に撮影して協力しています。
小磯良平《舞妓》

小磯良平《舞妓》1961年 油彩・紙(板に貼り付け)116.5×114.9cm

Ⅴ.薬用植物画を描く―『薬用植物画譜』の刊行

『薬用植物画譜』は、1971年、武田薬品工業株式会社の創業190年を記念して非売品として発行されました。小磯良平が『武田薬報』の表紙画として描き、1956年2月の「オモト」から1968年12月の「センキュウ」まで13年間にわたって掲載された薬用植物150種類のうち、20種類の植物を改描して一冊にまとめたものです。印刷は10色以上の多色刷で、装幀は小磯の意向を受け、オレンジがかった朱色の無地に金文字が美しいデザインに仕上げられ、小磯は大変満足したといいます。薬用植物画作品は、約半数ずつ前期と後期に分けて展示替えをいたします。

  
左:小磯良平《ケシ》1960年 水彩、鉛筆・紙 39.8×28.0cm

中:小磯良平《ホップ》1963年 水彩、鉛筆・紙 39.4×27.3cm

右:小磯良平《チョウセンダイオウ》1969年 水彩、鉛筆・紙 39.3×27.2cm

資料

小磯良平が描いた、植物の成分を抽出するための道具「蘭引」や、薬学などを修めて、大阪の製薬業にも携わり、小磯良平と六代目武田長兵衞を繋ぐ端緒となった小磯良平の義父、小磯吉人(こいそ・よしたみ)の資料などもあわせて紹介します。


《蘭引》江戸時代後期 陶製 43.0×30.5×27.5cm 公益財団法人武田科学振興財団 杏雨書屋蔵

会期中のイベントなど

講演会&ワークショップ「小磯良平が描いた薬用植物を五感で楽しむ」

講師:尾崎法子氏(武田薬品工業株式会社 京都薬用植物園 薬剤師、漢方生薬ソムリエ)

生薬について知り、味や匂いを体験してみましょう。夏の養生茶の試飲も体験していただきます。

①7月9日(土曜日)、②7月10日(日曜日) 各日とも午後2時~3時、定員16名 

申込締切:6月23日

講演会

「武田長兵衞と杏雨書屋」

講師:瓢野由美子氏(武田薬品科学振興財団 杏雨書屋 学芸員)

9月11日(日曜日)午後2時~3時 定員25名
申込締切:8月25日

申込WEBサイト

下のURLよりお申し込みください。

https://www.city.kobe.lg.jp/a45010/kanko/bunka/bunkashisetsu/koisogallery/lecture.html

解説会

日曜日の午後2時~(約30分間)※7月10日と9月11日を除く

定員25名 当日先着順(整理券を配布) 

学芸員が展覧会について解説します。

子供のためのワークショップ

びじゅつかん大作戦6月「水彩画に挑戦」6月25日(土曜日)午後2時~3時

対象:4歳~中学生 定員10名 申込締切:6月9日(木曜日)

特別展「秘蔵の小磯良平―武田薬品コレクションから」の薬用植物画を見て水彩画の良さを感じましょう。植物を見たり感じたりして水彩画に表しましょう。

びじゅつかん大作戦7月「葉っぱでランプシェード」7月23日(土曜日) 午後2時~3時

対象:4歳~中学生 定員10名 申込締切:7月7日(木曜日)

特別展「秘蔵の小磯良平―武田薬品コレクションから」の薬用植物画を、葉っぱの形に注目して楽しみましょう。いろいろな葉っぱの形をかいてランプシェードをつくりましょう。

びじゅつかん大作戦8月「びじゅつかん探険」8月27日(土曜日) 午後2時~3時

対象:4歳~中学生 定員10名 申込締切:8月11日(木曜日)

びじゅつかんを探険して普段は見ることのできないところを見学します。いろいろな道具や設備について学びましょう。

びじゅつかん大作戦9月「葉っぱコレクション」9月24日(土曜日) 午後2時~3時

対象:4歳~中学生 定員10名 申込締切:9月8日(木曜日)

特別展「秘蔵の小磯良平―武田薬品コレクションから」で薬用植物画を見ていろいろな植物を知ります。「こすりだし」の技を使い、植物の形を集めてコレクションをつくりましょう。

注意事項

  • 未就学児は保護者の付き添いが必要です。大人の付き添い入館料は割引料金800円です。
  • 付き添い2名まで。感染拡大防止対策のため活動場所に定員があります。付き添いは1グループに対し2名までといたします。

申込WEBサイト

下のURLよりお申し込みください。

https://www.city.kobe.lg.jp/a45010/kanko/bunka/bunkashisetsu/koisogallery/fukyu/event/children/index.html

大人のためのワークショップ

「水彩で描く植物画」7月2日(土曜日) 午後2時~3時

対象:高校生以上 定員16名 申込締切:6月16日(木曜日)

申込WEBサイト

下のURLよりお申込みください。

https://www.city.kobe.lg.jp/a45010/kanko/bunka/bunkashisetsu/koisogallery/fukyu/event/adult/index.html

赤ちゃん家族の日 毎月第三木曜日

未就学のお子様を連れた大人の方2名まで割引料金(800円)で入館いただけます。

未就学児のお子様とご来館の大人の方に、グリーティングカードをプレゼントします。

6月16日(木曜日)、7月21日(木曜日)、8月18日(木曜日)、9月15日(木曜日)

  • 各イベント、展覧会の会期や開館時間は、今後の状況により変更することがあります。詳しくは美術館HPで最新の情報をご確認ください。
  • 一般的なお問い合わせは、「神戸市事業・イベント案内センター」でも受け付けています。

電話番号:0570-083330または078-333-3372

INFORMATION

展覧会情報

開催期間2022年6月11日-9月25日
開催場所神戸市立小磯記念美術館
ミュージアム 神戸市立小磯記念美術館
住所〒658-0032 神戸市東灘区向洋町中5丁目7(六甲アイランド公園内)
開館時間10時00分から17時00分
※入館は閉館30分前まで
アクセス六甲ライナー「アイランド北口(小磯記念美術館前)駅」下車、西へ徒歩すぐ
阪急「御影駅」の南側から、みなと観光バス131系統で「ウエストコート3番街前」下車すぐ
URLhttps://www.city.kobe.lg.jp/a45010/kanko/bunka/bunkashisetsu/koisogallery/tenrankai/index.html
料金一般(個人) 200円
◯一般(団体:30名以上) 160円
◯大学生 (個人) 100円
◯大学生(団体:30名以上) 50円
◯高校生以下無料
 ※学生証、生徒手帳などをご提示ください。
◯神戸市在住の65歳以上の方は無料
 ※住所と年齢が証明できるものをご提示ください。
◯障がい者手帳またはスマートフォンアプリ「ミライロID」などのご提示で無料
主催主催:神戸市立小磯記念美術館、朝日新聞社
協力:武田薬品工業株式会社
備考毎週月曜日(月曜日が祝日または休日の場合は開館し、翌平日に休館)
年末年始(2022年12月29日~2023年1月3日)
展示替期間ほか
※開館時間、休館日は臨時に変更する場合があります。
#企画展

掲載情報は 2022年07月22日 配信時のものです。 現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
料金は税込表記を基本としています。

間違いを報告する